ホルムアルデヒド(ホルマリン)がもたらす影響は?│生地の製造には使用しているのか

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ホルムアルデヒド(ホルマリン)がもたらす影響は?│生地の製造には使用しているのか

稀に耳にするホルマリンとは、ホルムアルデヒドの水溶液のこと。
生地の製造にホルマリンを使用した場合は、どのような影響があるのだろうか。
なぜホルマリンを生地の製造に使用することがあるのだろうかを考えてみる。

 

ホルマリンとは

ホルマリンとはホルムアルデヒドの水溶液で、無色透明、そして強い刺激臭がある液体です。
ホルムアルデヒドは通常の温度で気化する可燃性気体で、人々の体にとって非常に有害性のある液体と言える。
住宅で言えば、家具や壁紙など様々なものの接着剤にも多く用いられることから、ホルムアルデヒドで汚染された部屋に換気をせず長時間滞在し続けた場合、シックハウス症候群になる恐れがある。
主に目がチカチカとした表情、喉の気道の違和感、ひどい場合は呼吸困難等の恐れもあります。

 

繊維の製造でホルムアルデヒドの使用について

当オンラインストアにもよくお客様から「こちらの生地はノンホルマリンですか」という声をいただくことがあります。
私達の答えは「YES」
近代の日本で使用されている染料は、ホルマリンを使用しない染料がほとんど。
当社の販売している生地すべてを確認したわけではないが、基本的に「ノンホルマリン」で製造を行っていると考えらる。
合成染料、インディゴ染めも同様で、デニムの聖地 岡山県児島の染色工場にも確認すると、「ホルマリンは使用していない」との回答をいただきました。
しかし、それは日本の工場のことを意味していて、海外で製造加工された生地は、ホルマリンを使用していることがあるようだ。

 

何故ホルマリンを使用して製造する必要があったのか

日本でも以前はホルマリンを使用した製造を行っていたのは事実ですが、何故使用する必要があったのか。
ホルマリンは人体に対して有害物質のため、使用しないに越したことはないはず…。
そんな有害物質を使用するということは、製造者に対して何かしらのメリットがある事が考えられる。

 

品質を保つためのメリットがあった

ホルマリンを使用すると加工側(製造者)が得られる多くの利点があることが背景にある。
樹脂加工を行うときによく用いられるホルマリンは、主に防シワ、防縮、風合いを向上させることができ、安価で簡単に品質向上を期待できることから多く用いられていたことと言える。

少し違った角度で、野菜を育てるための農薬で考えると、農薬を使うことによって虫食いがなく、生産性が増え、綺麗な野菜が沢山育つ。
農薬を使わない場合は、経験と知恵が必要の上、手間とがかる。
それと同様で、ホルマリンを使用することで安価で簡単に「出来栄えする生地」が製造可能のようだ。

 

赤ちゃん服には厳重な注意が必要

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赤ちゃんは成人した大人より皮膚の発達などがしていないため、ホルムアルデヒドの影響を受けやすい。
そのため、ベビー服に対してのホルムアルデヒドの使用量は、法律で厳しく規制されている。
赤ちゃんに対しては大人の方より敏感に考えていたほうが懸命と言えるでしょう。
ホルムアルデヒドの影響で出てしまう反応としては、咳、くしゃみ、接触性皮膚炎、目ヤニなどが見られますので、症状がでないように両親で対策をしましょう。

 

ホルムアルデヒドを自分で除去する方法も

ホルムアルデヒド、そしてホルマリンはご自身で取り除くこともできる。
これは、あまり知られていないことでもあるが、ホルムアルデヒドの性質は水に弱く、分解することが可能なのだ。
ホルマリンはホルムアルデヒドの水溶液なので、もちろん同様で水に溶ける。
現在の日本の生地製造では、ほとんどホルマリンを使用されていることはないが、ここで改めて別の方向性からの水通しの大切さがわかる。
水通しを行うことでホルムアルデヒドをなんと、95%程度取り除くことができるので、ノンホルマリンかどうかの表記がない、もしくは不明な場合は必ず水通しを行いましょう。

 

試験結果を確認しよう

ホルマリンが繊維についているのか、それが気になって購入に至らない方もいるのではないだろうか。
そのような場合は、まずは生地の販売店に確認をしてみましょう。
製造工場、染色工場などに確認をしてもらい、ホルマリンが付着しているのかを確認するのがいいだろう。
また、百貨店などに出品する場合は、その証明データが必須となるケースもあるので、その場合は販売店が検査結果データを持ってるのか確認を行い、検査結果データをもらい百貨店に提出するようにしよう。
検査機関の一つ、カケン(KAKEN)では、遊離ホルムアルデヒド試験で検査を行っています。

 

遊離ホルムアルデヒド試験

「遊離ホルムアルデヒド試験」とは、「液相抽出により抽出されるホルムアルデヒドの量」つまり「ホルムアルデヒドが遊離する度合い」を評価する試験です。

目的
 過度のホルムアルデヒドが使用された衣料品を着用した場合、粘膜刺激や皮膚アレルギーを生じる危険があります。そんな危険を事前に察知できるのが「遊離ホルムアルデヒド試験」です。

 

試験方法

1. 一定の重さの試料を計りとります。

2. 計りとった試料と水100mlを三角フラスコへ入れ、60分間40度で温めます(抽出)。生地にホルムアルデヒドが含まれている場合は、ホルムアルデヒドが水へ溶け出してきます。

3. 抽出した液にアセチルアセトンという試薬を加えます。この試薬は、ホルムアルデヒドと反応すると発色して黄色になります。試料からホルムアルデヒドが多く抽出された場合は濃い黄色となります。

4. 発色した黄色の濃さの度合いを分光光度計という機器で測定します。

 

 

ホルムアルデヒドの抽出抽出
アセチルアセトン試薬による発色試薬による発色
試験結果例

例①(乳幼児用)
遊離ホルムアルデヒド試験(A-A0): 0.05

例②(その他(乳幼児用以外))

遊離ホルムアルデヒド試験(μg/g)20以下

遊離ホルムアルデヒド試験(ppm):75

 

試験結果の見方

①「A-A0」の結果(吸光度差)

分光光度計による測定値(吸光度)の差で結果を表しています。
「A」・・・試料の吸光度

「A0」・・・ブランク(空試験)の吸光度

”A”は、absorbance(吸光度)の頭文字です。

 

②単位「μg/g」または「ppm」の結果(濃度)

予め作成した吸光度値と濃度の関係を求める計算式により、測定した吸光度から濃度を求めます。ppm は parts per millionの略で百万分率です。

検出量20μg/g(20ppm)以下の場合、ほとんど出ていないことを表すため、「20以下」という書き方をすることがあります。

参照元:一般財団法人カケンテストセンター (略称:カケン)
KAKEN TEST CENTER (abbr. KAKEN)
(旧称:財団法人日本化学繊維検査協会)

 

 

ノンホルマリンでも注意すべきこと

当オンラインストアの生地は基本的にはノンホルマリンだと説明をした。
しかし、細かくホルマリン(ホルムアルデヒド)の有無について考えていく場合は注意しなければいけないことがある。
それは、ノンホルマリンだがホルマリンは付着すること。

 

部屋のホルムアルデヒドが付着してしまう

現代の様々なものにホルムアルデヒドは使用されている。
合成樹脂の製造原料、消毒剤、防腐剤、接着剤、医薬品等、非常に多くのことに使用されており、身近にあるのが現実。
その身近にあるホルムアルデヒドが空中浮遊し、生地に付着してしまうことがあるのだ。
ノンホルマリンで製造加工した生地に空中浮遊しているホルムアルデヒドがつき、反応してしまう恐れもある。
つまり、ホルムアルデヒドを100%除去し続けることは困難ということになる。

 

まとめ

今回はホルムアルデヒドについて考えてみたがいかがだったでしょうか。
わかったことは、ホルムアルデヒドは家具や壁紙などの接着剤や合成樹脂の製造原料など、様々な身近なものに使用されていた。
そして、その身近にあるホルムアルデヒドが空気浮遊して生地に移ってしまうことがあるということだ。
生地の製造工程については、近代の日本の加工ではホルマリンを使用しておらず、当オンラインストアで扱っている生地は基本的にノンホルマリンで、万が一ホルマリンが使用されて製造された生地であってもホルマリンは、水に溶ける性質のため、洋服制作の基本中の基本、水通しで9割以上のホルマリンを除去することができることがわかった。
ホルマリンに対して不安な要素がある場合は、普段水通しを行わない方でも水通しを行ったほうが安心というメリットがある。
ホルマリンに対しての人体への反応は人それぞれではあるが、怠らずに体にいい素材を使用して楽しく、安全に物作りに励みましょう。

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