綾織生地の裏表の見分け方│使う面を統一しよう

綾織生地

綾織生地の裏表の見分け方│使う面を統一しよう

綾織生地の裏表について。
ソーイングを行うとき、裏表について気になることが非常に多い。
最初の時点で間違えてしまった場合は、取り返しのつかないことになることもある。
さて、今回はそんな綾織生地の裏表について、一つずつ確認していこう。

 

綾織とは

綾織とは、生地を織る組織名のことをそう呼ぶ。
別名、ツイルとも呼ばれ、シャツ、パンツ、ジャケット、コートなど幅広い用途に使われる三原組織の一つである。
生地は経糸と緯糸で形成されているが、いわゆる綾織は経糸が緯糸を2本、もしくは3本飛び越えた織り方の事。
したがって、表面には基本的に経糸が多くの割合で顔を出していることとなる。

※「経糸が多くの割合で顔を出している」は基本的なことで、例外もあるのでそれは追って後ほど解説します。

綾織ではどんな種類の生地があるのか、下記にある「生地の種類(織組織)について」も併せてご確認ください。

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平織の生地

 

ノの字の綾目が表というのは大きな間違い

よく綾織はノの字の面が表と言われることがある。
確かに基本的には綾織は「右綾/ノの字」がスタンダードだと考えられるのだが、時には「左綾」の生地が存在する。
左綾とは綾目がノの字とは逆の織り方で、柔らかに織り上げられるなどの利点がある。

バーバリー

左綾のキャバジン

左の画像の綾目が左綾で、ビエラやギャバジンなどで用いられることが多い。
稀にデニムでも左綾で織ることもあるのだ。
綾織には、「右綾」と「左綾」があることを覚えて置くことが大事だということがわかります。

言いたいことは、すべての綾織の生地が「右綾/ノの字」=「表」という認識は誤りだということです。

 

綾織生地の裏表の見分け方

さて、ここからが本題になる。
右綾と左綾が存在するのなら、どのように綾織生地の裏表を見分ければ良いのだろうか。
一つ一つのポイントを抑えて間違いのリスクを少なくしていこう。

 

購入店に確認する(方法1)

生地は100%の確率で「裏表」が決められている。
それは、その生地がリバーシブルだった場合でも同様だ。
購入時にショップにまず確認をしよう。そしてその生地が「左綾」なのか、「右綾」なのかをしっかりと記憶することが大事だ。
例えば私達のオンラインストアでは、商品ページにどちらの綾目が表なのかを記載させていただき、発送時にも外表に畳んで送ることを徹底している。
お客様がどちらが表かわからなくなって、問い合わせをいただいた時もしっかりと綾目をわかるように伝えるよう、各スタッフにお願いしている。
購入店は、綾織生地の裏表を把握しているので、気を使わずに気軽に聞いてみることが大事だと考えています。

 

生地の耳を確認する(方法2)

どんな生地にも「耳」があり、その「耳」には凹凸の穴が空いている。
この方法はできれば避けてほしいのだが、基本的には耳部分の穴が凸(飛び出ている)のほうが表とされている。
何故、この方法をできれば避けてほしいのかというと、100%の確率で表とは限らないからである。
製造工場によって、凹(飛び出ていない)のほうが表とされている場合もあるのだ。
しかし、私達の経験上、95%程度の確率で表と考えていいので、「まぁいっかぁ」の気持ちがある方は、十分 生地の裏表を見分ける方法の一つとして覚えていても良いかもしれない。

 

織目をじっくりと確認する(方法3)

これはかなり難易度の高い確認方法となる。
デニムのように経糸が色糸、緯糸が晒糸のようにわかりやすい色使いをしている先染めの綾織ならまだしも、後染めの綾織の生地となると難易度が非常に高いのが現実。
最初に「経糸が多くの割合で顔を出している」とお伝えしたが、基本的にはそう思っていただいていいのだが、綾織には「たて綾」と「よこ綾」という織り方が存在している。
なんだか非常に複雑で難しく深い話だ…。
簡単に説明すると、「たて綾」は経糸が多くの割合で表面に出ている綾織の織り方で、「よこ綾」は緯糸が多くの割合で出ている綾織の織り方だ。

 

最終的に裏表の確実な見分け方は?

裏表の確実な見分け方はあるのだろうか。
結論から言うと「生地」の裏表の見分け方は「ない」と考えていていいだろう。
上記でもお伝えしたが、デニムのような先染めで、経糸か緯糸、どちらかに晒糸を使用している場合は裏表の区別がつきやすいが、後染めの場合はなかなか区別がつかない。
それは、私たちプロに当オンラインストアで販売していない生地について表裏を聞かれた場合も同様なのです。
別の記事、「平織の生地の裏表について│悩みをこれで解消」でも解説しているが、生地は必ず表面を検品するので表を決める必要がある。
しかし、綾織は左綾、右綾などの異なった表情があり、それは製造者(企画者)が想いを込めて綾の向きを決定したことといえる。
何が言いたいのかというと、『裏表がわからなく、何処のショップで買ったかも忘れた。そのため、どうしたらいいかわからない。』←こんな状態に陥った時などは裏表は気にせずに作ればいいのです。
ですが、そのためには注意も必要なので、それだけを気を付けて制作に取り掛かりましょう。

 

制作時の注意は使う面を統一する

何度も言うが綾織は、裏と表で表情が異なる折り方です。表面とは反対の綾目になるのが特徴です。
そのようなことから綾織で作品を制作するときは必ず使う面を統一してください。
前身頃は「右綾」の面、後ろ身頃は「左綾」といったように異なる面を使用してしまった場合は、その作品の綾目の向きはバラバラになってしまう。
個性の強い、敢えてバラバラに使用したいとき以外は、必ず面を統一して綺麗な作品に仕立ててください。
この使う面を統一することは綾織だけでなく、平織でも同様です。
裏と表では、稀に風合いなどが異なる場合もあり、必ず統一する必要がありますので、注意が必要です。
これは、ソーイングの大切なポイントの一つなので、徹底して制作に取り掛かりましょう。

 

 

まとめ

本記事では、綾織組織の裏表について解説しました。
よく言われる、綾織は「ノの字」が表。というのはすべてが正解ではないので注意が必要。
綾織には左綾が存在して、左綾の場合の表面はノの字の反対が表になるということ。
生地は製造の際に原則、表面を検品するので使用する際は基本的には表面をしっかりと把握して製造することが望ましい。
デニムのような先染めの綾織の生地以外は表面を独自に判断することは難しいので、購入店に事前に確認することをお勧めします。
しかし、どうしても表面がどちらかわからなくなってしまった場合は、焦らずにじっくりと生地の裏表を確認して、綺麗だと思う面を統一して使用することを徹底しましょう。
ソーイングは非常に楽しい手仕事です。
何が正解かというのはないので、こだわりすぎずに気楽な気持ちでお楽しみいただくことが一番だと私たちは考えています。

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