デニムの染料 インディゴ染めと藍染め
デニムでよく耳にするインディゴ染。
通常の染料との違いはいったい何でしょうか。
また、藍染との違いについても触れていこうと思います。
インディゴ染と藍染の違いは?
インディゴ染と藍染は今では天然染料と合成染料として簡易に分けられています。
本来は藍の青い成分をインディゴ(天然)と呼ばれていたようです。
その昔、インドの植物のインドアイがインディゴ染の原料となり、インドで初めて使用され始めました。
インドよりエジプトやヨーロッパに続き、世界各国にインディゴ染が広まりました。
その当時にはもちろん合成染料はなく、天然染料のインディゴを使用されていました。
その様な事から本来は " インディゴ = 天然染料 " という事となります。
近代、天然インディゴ(藍染)の染色は主流ではなく、90%以上が合成インディゴで染色されています。
インディゴ(合成)が主流になった理由
先ほどよりお伝えしている天然染料と合成染料、言い方だけで感じ取れるのは天然染料の方が上質な染料と思ってしまいそうですが一概にもそうとも言えないのです。
※以下、インディゴ染(天然)を 藍染 、インディゴ染(合成)を インディゴ染 と呼びます
まず、何故インディゴ染が主流になったかの1つの要因は手間。
藍染は天然染料を使用する為、中に不純物が多く含まれる事により染めにムラが出てしまったり天然の為、保管も大変です。
1900年頃にインディゴ染料を合成して作ることが出来ないのかという考えより人類は石油を原料として見事に合成インディゴに成功しました。
藍染とは異なり、インディゴ染は不純物が無い為に大変綺麗に染め上げる事が可能の染料です。
他にコストも要因の一つです。
藍染は天然の植物から採っていきますので大変高価なもの。
栽培にお金と労力など様々なコストがかかります。
インディゴ染と藍染のメリット
上記の『インディゴ(合成)が主流になった理由』では藍染の良さをお伝えできていませんでしたが藍染にも絶対的な良さがあります。
藍染は手作業ならではの職人の温かみを感じれる事や天然成分ならではのディープながら発色の良い藍色の色合いが特徴です。
児島地区のデニム業界でも天然藍染で製造したデニムも取り扱っているようです。
他に藍染は地球環境にも優しく、天然ならではの発色を出すことが出来ます。
一方、インディゴのメリットは何よりもムラなく均等に染色できる事。
一般的にロープ染色で糸を先染めします。
インディゴ染料でロープ染色を行った場合、糸の中(芯)まで染めることが出来ない状態で仕上がります。
かえってこれが人気の秘密。
インディゴ染、最大のお楽しみの色落ち感を楽しむことが出来るのです。
インディゴの色落ち
インディゴ染色は上記でも記載したようにロープ染色で糸の中まで染まらない中白という現象が起こります。
その現象から使い込んだり洗い込んでいくうちに色がだんだんと落ちていき、履いた時によくできるシワ部分、膝が曲がる部分などは特に色落ちしてインディゴ特有のディープで使い古した表情が生み出されます。
このような使い込んだアタリはデニムの価値(愛着、カッコよさ)が上がり、多くの方に好まれています。
一方、藍染(枷染め)は中白にならず、糸の芯までしっかりと染まります。
その事によりインディゴ染のようには色落ち感を楽しむ事は出来ません。
全くの色落ちがないわけではありませんがインディゴ染のようには落ち無いのが特徴と言えます。
藍染はインディゴ染とは異なり奥深い色合いが特徴。